三十にして立つ


論語において、30歳は而立(じりつ)という。

その意味が、最近分かる気がする。
この半年間、気づくことやはっきりしていくことがたくさんあったから…

私の場合、自分で設定した人生の大きな区切りが28歳だった。
その時までにこうなりたいと思う理想があって、そこに向けて十数年進んできた。

28歳になり、私は次に目指す道を以前ほど強くは描けなくて…この二年間探し続けてきた。
ただ、心に決めた『自然体であること』だけは続けた。

そんな風に自然体で生きるなかで、少しずつの気づきが積もり積もって…やっとこの半年で形になってきた。

まだ、言葉にできるほどじゃないけれど、あと七ヶ月ある今歳の間には見えると思う。


空に薄い雲が広がっている。
蝉のかわりに涼やかな虫の音がささやいてくる。
季節はもう、秋。

今歳の夏はとにかく最初から最後まで体調が悪かった。

けれど、いろんなものを得ることができた。

まずは、運転スキルと安心…
運転しないうちにゴールドに輝いていた免許…。
GW前、病院のソファに座りながら母と話しているとき、心のなかで決めていた。
お父さんの負担が少しでも減るように、私が運転できるようになろう。
そして、夏休み中、作ったドライ部や友達に協力してもらったり、一人で特訓したりして、運転した。
少しだけ、心が楽になった。

次に、安定…
変わらないものがある。
信頼で築かれた、安心できる場所がある。
望んだ場所がここにあることに、気づいた。
それが、私の心をこの上なく安定させてくれた。

もうひとつは、新たな知識とより強くなった知識欲…
自由にいきるということの私なりの意味をつかみ、
十代から心に思っていた夢への本当の意味での第一歩を進めることができた。

そして…決意と絆。
言葉として受け取った勇気と想い、言葉にして預けた心の欠片。
変わらない、ずっと…。大切、それだけでいい。

ただ、そこに存在(いて)くれるだけでかまわない。
そんな人たちが、いる。

大切なものが増えていく…私は、幸せだ。
時間に信頼を織り交ぜて紡いだ絆の一本一本が、切れない糸となって今の私を支えている。

だから、私は一人で望むままに立っていられる。


吾十有五而志於學、三十而立。

志学から十五年、而立の歳にようやく立つことを知った。
ここから十年、不惑までの道のりを、楽しんで生きたい。

大切なものを、大切に…。




Personal*

「貴女のまわりは、きちんと気持ちを言葉にして表現するひとが多いね。」

数年前、ある歳上の女性にそう言われた。
その時の私は、そうなのかなぁとしか思わなかったけれど、今は、そうだなぁと思う。


結局、人と人を繋ぐものは言葉しかない。

だから、想いは言葉にして伝えなきゃいけない。
だから、ひとつひとつの言葉の重みを知らなきゃいけない。

私にとって、誠実とは、言葉が実になることであり、言葉を実にすること。


そういう私の考えを、理解し、尊重し、そしてその考えに同調してくれる人たちだから、変わらず側にいる。
そして、私もそういう人たちだから、側にいる。無意識下で、選んでる。


「しんどいことや辛いときは、ちゃんと言ってな?
言いたくなかったら言わなくてもいいけど…
それでも、俺はそばにいるから。」

「文ちゃんはいつもすごく考えて気持ちを整理してるし、
わたしはそばにいて話聞くことくらいしかできんけど…いつでも」

「あたしにできることなんてないのかもしれないけど、
それでもあたしは文香の味方で、いつも文香の側にいるからね◎」


三人の大切な人たちから、もらった言葉…

互いに面識もない人たちなのに、私に向けてくれる気持ちも言葉も、驚くほど似ている…

そして、私がいつもその人たちに思い、伝える言葉も同じだ。

ひとは、鏡だから…


焦がれて焦がれて、目指した世界が、ここにある。

大切な人を大切にできる…そんな当たり前が当たり前としてここにある。

言葉の重みを知っている世界。
想いと信頼が安定した世界。

それが、私が築いてきた世界。

私はきっとずっと変わらない。
でも、だからこそ、不安定さに線を引こう。

もう帰らなきゃ。
遅くなってきたし、外が暗くなってきたから…

It's time to be a big girl now.

ただいま、私の世界。
もう、同じ涙は流さない。




"Big Girls Don't Cry" by Fergie

The smell of your skin lingers on me now
(あなたの肌の香りがまだ残っている)
You're probably on your flight back to your hometown
(あなたはおそらく今故郷に帰る飛行機のなかでしょう)
I need some shelter of my own protection baby
(私には自分自身を守るための場所が必要なの)
Be with myself and center,
(自分を見失わず、ぶれさせないように)
Clarity, peace, serenity
(明晰で、穏やかで、落ち着いていられるように)

*I hope you know, I hope you know
(どうか分かってくれますように)
That this has nothing to do with you
(これはあなたのせいじゃないってことを)
It's personal, myself and I
(個人的な、私自身のこと)
We got some straightening out to do
(私にはきちんと整理すべきことがあるの)

And I'm gonna miss you
(そして私はあなたを恋しく思うでしょう)
like a child misses their blanket
(子どもが、毛布を恋しがるように)
But I've gotta get a move on with my life
(けれど私は自分の人生を進めなきゃいけない)
It's time to be a big girl now
(大人の女性になるべき時がきたの)
And big girls don't cry
(そして大人は泣かない)
Don't cry, Don't cry, Don't cry
(泣かないわ)

The path that I'm walking, I must go alone
(今歩いている道を、私は一人で行かなきゃいけない)
I must take the baby steps til I'm full grown,full grown
(少しずつ進んでいかなくちゃ、本当に成長できるまで)
Fairy tales don't always have a happy ending, do they
(お伽噺はいつだってハッピーエンドなわけじゃないでしょう?)
And I foresee the dark ahead if I stay
(そしてとどまれば、この先に闇があるのが見えるの)

*repeat(繰り返し)

Like a little school mate in the school yard
(校庭にいる学校の友達のように)
We'll play jacks and uno cards
(ジャックスやウノをして遊びましょう)
I'll be your best friend and you'll be my Valentine
(私はあなたの親友となり、あなたは私のバレンタインの相手となる)

Yes you can hold my hand if you want to
(手を握りたいなら、そうしてくれてかまわない)
'cause I wanna hold yours too
(だって私もあなたの手を握りたいから)
We'll be playmates and lovers
(私たちは遊び仲間で恋人)
and share our secret worlds
(そして秘密の世界を共有するの)

But it's time for me to go home
(だけど、もう家に帰らなきゃ)
It's getting late, dark outside
(遅くなってきたし、外は暗いから)
I need to be with myself and center,
(自分を見失わないよう、ぶれさせないようにしなきゃね)
Clarity, Peace, Serenity
(明晰で、穏やかで、落ち着いていられるように)

I hope you know, I hope you know
(どうかどうか分かってくれますように)
That this has nothing to do with you
(これはあなたのせいじゃないってことを)
It's personal, myself and I
(個人的な、私自身のこと)
We got some straightening out to do
(私にはきちんと整理すべきことがあるの)

And I'm gonna miss you
(そして私はあなたを恋しく思うでしょう)
like a child misses their blanket
(子どもが、毛布を恋しがるように)
But I've gotta get a move on with my life
(けれど私は自分の人生を進めなきゃいけない)
It's time to be a big girl now
(大人の女性になるべき時がきたの)
And big girls don't cry
(そして大人は泣かない)
Don't cry, Don't cry, Don't cry
(泣かないわ)

「夏の夜は」

木曜日…台風到来と言われた日、学校を出ると、その予報が嘘であるかのように空が澄んでいた。
夕陽が反射した雲の色が見事で、思わず足を止めた。

金曜日…空き時間に廊下で仕事していると、優しい風が頬をかすめた。
ふと窓の外に目をやると、青々とした稲がさわさわと音を立てて、緑の波をつくっていた。
あまりにも優しいその波と風が、心地よかった。

土曜日…月が地球に一番近づく満月、スーパームーンの夜。
友達と思い切りはしゃいで遊んだ帰り道、胸を締め付けられながら歩いていた。
眩いばかりの光に照らされて明るい空に、覆われた雲がもどかしくて、
ずっと空を見ながら帰っていると、刹那、雲の隙間から神々しいまでの光を帯びた月が姿を見せた。
一瞬、息をすることさえ忘れた。

日曜日…足をのばした京都で、神社に入り、青々とした木々の葉に包まれた。
下から見上げる葉が透き通るようにまぶしくて、目を奪われた。








時々、世界は泣きたくなるほど綺麗だ。


その美しさ故に、心が花へ、木々へ、空へと飛翔する。
そんな一瞬があるから、心の中にどんな闇が生まれても、浄化されて消えていく。
人に対して、悲しいだけの憎悪や憎しみを抱かずにすむ。

だからまた、私は微笑むことができる。
微笑む私に、微笑みを返してくれる人たちがいる。

世界の美しさと優しさは、いつも背中合わせだ。


だからどうか、心を濁らさないで…。

私たちを包む世界は、今日もこんなにも綺麗だよ。





物語。

数週間前、ある瞬間から、世界の見え方が変わった。


私は、人生は物語だと思う。
書き手は、自分自身で…読み手は、自分と自分に関わる人たち。

物語を彩るのは、自分とそして周りの行動のすべてであり、
それぞれが思う、想いのすべてだ。

一日一日、一秒一秒に、物語は綴られていく。
一瞬も手を止めることなく、綴られていく物語…

その自分の物語を気に入ってくれたひとは、
友達や恋人、家族という名でそばにいて、
ずっと物語の読み手で居続けてくれる。

けれど、誰よりも一番自分の物語を知り、
誰よりも自由に、誰よりも深く濃く、自分の綴る物語を読めるのは、
自分自身だ。

今、物語を書き綴り続けて30年…
ピンクゴールドの時計をはめて、今の心にある素直な気持ちと向き合って…
読み返す物語が、とても温かく、優しく、
私を包み込んでくれることに気づいた。


人生が、愛おしい。


今まで歩いてきた道で起こったことのすべてが、
今愛おしいと思えた。

楽しさも幸せも感動も苦しみも悲しさも傷も…
一連につながった物語に綴られたすべてのものが大切に思える。


そして、もう一つ…人の大切さを改めて知った。

ふと読み返した書き綴ってきた物語の中の、
何度も読み返したくなる場面はすべて、
その時々に、自分の周りにいる人たちが作ってくれたものだ。

だからこそ、自分の物語を素晴らしくドラマチックで幸せなものに彩ってくれる、自分の周りにいる人たちが、
その人たち自身の物語を読み返したいと思うような、
そんな物語を綴るお手伝いを少しでもしていきたい、と強く思った。


人生が、愛おしい。

世界がきらきらと輝きを増して、一瞬一瞬がより大切に思える。

私は、いつも、一秒ごとに読み返したくなるような物語を綴り続けていきたい。


Love the life you live. Live the life you love.
- Bob Marley -

(自分の生きる人生を愛せ。自分の愛する人生を生きろ。 )


ピンクゴールド

水曜日、家に帰ると、小さな紙袋があった。

中には、「親になって30年目の私たちからへ」とかかれたカードと、箱があった。

中を見ると、ピンクゴールドの時計だった。

「遅くなったけど…」という言葉と共に贈られた両親からの、誕生日プレゼント…
嬉しかった。

30年目という言葉でふと振り返った私の生きてきた道…思えば、家庭面で苦労という苦労をしたことがない。

子どもの頃は意識したことがなかったけれど、今、特にこの仕事を始めてからひしひしと感じる…
いつもいつも、どんなときも、温かさがそこにはある…そんな家で自分は育ってきたんだな、と思う。

辛くて辛くて、しんどくて真っ暗だった時も、本当の意味で独りになったことはない。
決して裕福ではないが、金銭面で苦労したこともない。

歳を重ねる毎に、気づかなかったことに気づいていく。

安心して過ごせる日々の中、一日一日、気づきも知識も増えていく…それが、楽しく嬉しい。

最近ふと思うことがある。

幸せは、とてもシンプルだということ。

頭で考えるといろんなことが混じりあってよくわからなくなるけれど、心に委ねれば、とても簡単に感じられる。

私は頭でっかちで、心が動いてもいつでも頭が動き出してしまう。
いつだって、理由ばかり探してる。

「もっともっと自由に生きられるはずなのに、きっと、それが合ってるのに…もったいないよね。」

がんじがらめになってそうなりきれない私の本質を知る友達は、いつも苦笑いしながら、そう言う。

「お前は相変わらず正しく生きてるなぁ。」

と、笑いながら言った大事な仲間の言葉の奥にある本当の意味が、重くのしかかってくる時がある。


頭より心に幸せを委ねられたら…本当に大切なものを見逃すことはないのかもしれない。


「ピンクゴールドの似合う、素敵な手をした女性になってほしくて、この時計を贈ります。」

カードの裏に書かれていた、温かすぎる両親からのメッセージの最後は、そんな一文で締め括られていた。


私は、もっとシンプルに生きられるようになりたい。

物事を、頭でなく心で感じられるようになりたい。


だから、素直になって自分の心と向き合ってみるよ。

チョークまみれのこの手が、ピンクゴールドが似合う手になるその日まで…。




プロフィール

*Ayaka*

Author:*Ayaka*
Name:あやか
Sex:Female
Location:
Osaka, Japan/Bangkok, Thailand

+About Ayaka+:
大学院留学から帰国し、
現在日本で英語教員をしながら、精進中です。
バンコクのど真ん中で大学院生をしてました。
タイ語はあまりできません。
ただ、ぼられない様にしていたら、ショッピング時だけ流暢に話せるようになりました、笑。
ちなみに院では英語ばかり使っていました。

どうぞよろしく


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